妻の実家は椴法華漁港の監視所のような位置にあり港の様子が手に取るようにわかる。
 元旦の朝舟に人はいない。けれどなぜかいつもと違う感じがする。華やかさが乏しい。いつもだってそれほど飾られているわけではないが大漁旗があったり、松飾りが舟の一番高い独狐路にあったりしたはずだが…やはり不況の影響だろうか。私がこの地で担任した子ども達が成人して船首になっている舟が多いはずだ。そういう舟のメインポールに松飾りがくくりつけられている。
  ゆずり葉の子の代となる漁船の先    未曉