札幌東区・春のすけ

 コンサドーレの試合が1時からなので時間がない。デパートでの買い物もあったのでそのついでに本屋の立ち読みで駅近くのそば屋を探した。駅から5丁の所にあるこの店の名前を見つけた。先日函館の本屋で見た雑誌にも載っていた名前だ。歩いて15分、11時の開店を少し過ぎる頃には着く。
 札幌は見つけやすくていい。地味な作りの表だが灯りの点く夜の方が雰囲気が出そうな3間ほどの店構えである。入ると右にカウンター席、左にテーブル席と小上がり咳がある。夜は酒がもう一つの主役になる店作りのようだ。
 細麺と太麺が選べるようになっている。私は細麺のもり蕎麦を頼んだ。しっかり待って出てきた蕎麦はうっすら緑を帯びて食欲をそそる。早速一箸啜る。香りが鼻に広がり、歯が喜ぶような歯応えが口にざわめく。美味い。もう一口蕎麦だけで味わう。つなぎの入っていないいさぎよい堅さの蕎麦である。絶妙の茹で加減だ。辛汁はもっと辛くてもいいと思ったが、山葵が蕎麦特有の甘さを引き立ててくれたので不満はない。最後の一かけらまで一気に食べた。そば湯はゆで汁ではなく別誂えで濃厚。残した山葵と葱で余韻を楽しんだ。
 客がどんどん入ってくる。頼んでから蕎麦が出てくるまでに間があるので店内が混んでいる。太麺でかけそばも食べてみたかったが、札幌ドームへの移動もあるので次の機会に回した。
 店の規模の割に店員が多い気がした。きっと夜の部が忙しいのだろう。