義父母の家は椴法華築港のすぐそばに建っている。築港施設の一部と言ってもいいほどの位置である。
 今日は久しぶりにそこから漁港らしい光景を見ることができた。不漁続きだったこの一年、消沈していた浜にスケソが好漁なのだそうだ。
 大時化の海から帰港した船が着岸し、スケソが刺さったまま巻き込まれた網が累々とコンクリートの上に置かれる。浜の母さん方が一斉にスケソを外そうと網に取り付く。薄暗くなった中、船は集魚灯でその手元を照らす。その様子が何ヶ所か岸壁に展開している。窓を開けると、語気強い漁師の声が聞こえる。海猫がおこぼれを期待して母さん方の背中をつつかんばかりに寄って行く。
  時化冒しスケソ好漁漁夫荒ぶる     未曉
  スケソ揚がる女子衆が寄り海猫が寄り  未曉