私のパソコンのすぐ横に仏壇がある。両親、祖母、長兄、次兄、若い頃同居して兄弟のように暮らした従兄弟たちの写真や位牌が入っている。元々仏心が薄いのでほとんど何もしないが、父母の祥月命日にお経を上げてもらうことと毎日生花を上げることで赦してもらっている。
 そんな私にとってスーパーなどで仏花が売られているのは大変ありがたい。それを利用させてもらっている。花時期のタイミングが合えば庭の花も供える。紫陽花や牡丹、アイリス、母が好きだったチューリップなども供花になってくれる。そして菊である。買ってくる仏花にも季節を問わず菊がその芯として入っているが、この時季は我が家の菊も供花となる。ただし、きちんと育てられている菊ではない。昔育てていた菊があちこちに飛んで自然発生的に咲かせる菊である。何という菊かは知らないが、素朴さ、たくましさが感じられて好きである。撓められ作られた菊より数段語りかけてくるものが豊かな気がする。
  立つ菊も地に這ふ菊も供花ならむ  未曉
 秋彼岸。墓前には大きな菊が似合う。
  白菊や合掌の指天をさし      未曉