寒くなかったのでしばらくウッドデッキで月を見ていることが出来た。供花に挿した秋草が月の下でそれぞれに違う表情を見せる。薊はその鮮やかな紫の色を失って白いし、鬼灯はオレンジ色が妖しい。薄は影の方が鮮やかで主張が強い。
   野薊の色失のうて月の下       未曉
 栗の毬(いが)は月の光に研がれたのか切っ先の鋭さを増したように影を濃くしている。痛そうである。
   満月の毬(いが)とんがりを離れけり 未曉