天塩岳・沼の平(1)

 かぜてもらっている「山の会」の山行のため前日に出発した。早朝、高速も使わず抜け道を行くように早朝函館を出発した。5連休となりシルヴァーウイークと名付けられた初日である。私達の走る道路に車は少ない。道の駅やコンビニを避けるように走る。千歳の水車式の鮭捕獲を見ようとしたが、駐車場に車が溢れていたのですぐ止めた。道の駅「マオイの丘」のレストランに開店を待って入り、和風のスパゲッティを食べた。この道の駅はなぜか縁があって5回目くらいだが初めてこのレストランに上がった。さして旨いわけでは無いが、我らのルートでは食べられるときに食べなければ昼食抜きになりかねない。
 車は、空知の穀倉地帯富良野盆地に入り、金色の稲田の中を走る。そして美瑛の「ぜるぶの丘」へさしかかったところで撮影タイムをとった。なだらかな丘陵地を原色の花の色がパッチワークのように帯を描いて広がっていた。時季が遅いせいかひとつひとつの花は傷んでいるが、俯瞰して見れば人工的な美しさはスケールが大きいだけに迫力はある。しかし、山頂近くで待ってくれている一輪の竜胆には敵わない。
 青空が見えたり雨が降ったり、大雪の山々も明日の天塩方向も雲の中で見えない。秋の空だから…明日登るわけでもないから今日の目的は当麻町の「ヘルシーシャトー」と言う施設である。ライダーを対象に考えたサービスらしいが、一泊千円で泊まることが出来る。前回は、デイケアのための大きな部屋に泊まった。デイケアのためのベッドもかしてくれたしマットも使えた。寝袋で練るには申し分のない寝床だった。温泉が利用でき付属の食堂で夕食の心配もない。トイレなどもお年寄りのことを考えて作ってあるので清潔で使いやすい。
 旭川を通らず農道を辿ってもう慣れた道を走らせた。雨上がり大きな虹が虹が出た。目指すヘルシーシャトウと旭山動物園当たりに両足を置いたしばらく見たことのない完全な虹である。Kuさんまでが赤、橙、黄、緑、…と色の並びをなぞっていた。
 ヘルシーシャトウに着いたら今晩は研修室という畳の部屋を使って良いという。20畳近い両側間仕切りされた畳の部屋で寝られることになった。テレビもついている。旅館と違うのは布団がないと言うだけである。座布団を4枚並べて敷き布団にした。枕も座布団を借りようと思ったけれど押入を開けたら枕があったのでそれを内緒で借りることにしバスタオルを巻いて汚さないようにした。温泉に入り、食堂で天ぷらの盛り合わせ、鶏の唐揚げ、枝豆で一本ずつの酒を飲み、海鮮丼とかけそばのセットで夕食にした。
 問題だと思ったのは、隣の部屋に札幌の女子ミニバスッケットのチームが入ったことだ。女の子だしいつまでもお喋りされたらうるさいかなと思っていたが、9時に布団に入り、15分には話し声ひとつ聞こえなくなった。ささやき声もしない。寝入ったらしい。付き添いのお母さんコーチらしき人がしているの明日の準備のものおとが聞こえてくるだけだった。私が見たいと思っていたテレビ番組が九時から始まったが、15分にはかえってこちらが迷惑をかけることになってしまった。ヴォリューームを出来るだけ下げて、画面近くで視た。スポーツニュースも視たかったが、大人げないのであきらめた。
 静かで寝心地の良い夜、すぐ眠りにおちた。