稲田がことのほか美しい。雲の多い空を、蓄えに蓄えた黄金の光で照り返すかのように田が広がっている。寂しい休耕田も覆い隠してしまった。金色を支える茎がまだ緑色なの鮮やかさを増幅させている。クライマックス前の「ため」のような静けさと美しさである。
  東京の娘を金色の田が迎へ    未曉
 西の山の上だけ雲が切れて稜線が朱色に染まった。優しい夕焼けである。明日は晴れだ。
  秋夕焼塗り絵の今日を縁取りぬ  未曉