戸井丸山・気無山

 丸山龍神宮を辞して道をさらに奥へ向かった。分岐で気無山林道へ入り、気無山への上り口と思われるところで昼飯にした。天気を心配しての歩きだったが薄日が差し、林道の端っこで食べる握り飯は美味かった。
 この山はもっと簡単だった。標高差80M、車が走れるほど広い道をだらだらと登るとすぐ尾根の上。そのままだらだらと上っていくとYamaさんから「ストップ」がかかった。よく見ると左脇に踏み分けがある。広い道に油断してしまうとすぐかんじんの山道を見失う。いつもの失敗をまたしてしまった。Yamaさんもここははじめての道だと言うのに、やはりちがう。入り口は細かったがすぐ広く駆り払われた道になった。この道も頂上への道ではないようだ。三角点があるというのでその頂上を目指して三角点マニアが入り込んだと思われるところから藪の中に突入した。背丈ほどの笹薮を漕ぎ、頂上と思える高みから目をそらさずわさわさ進む。そんなにスムーズに前進していないのだが子どものようなに気分だけは突き進む感じで楽しんでいる。YmaさんやKuさんはピンクテープで道を確認しながらそれでも後ろをついてきてくれている。めざした所よりもう一歩先に三角点はあった。広くかりはらわれていた。周りは背お高い笹。長居する所ではない。写真を写して戻ることにした。
 私は自分が笹を掻き分けて登ってきたルートを戻っているつもりで降りた。登ってきたから降りるのである。Yamaさんはあまり降りずに尾根から逸れないで歩けという。少し登って尾根に戻る。しかし、自分の方向感覚は左へ降りればさっきの道に戻れると思っているので、すぐ左へ降りたがる。また「尾根から外れてる」と山さんから声がかかり、尾根に戻る。自分の方向感覚を捨てて尾根だけを外さないように歩くことにした。まずYamaさんが道に出た。そこは、我々が突入した所と5Mしか離れていなかった。私がめざした方向は、ここの裏側のようだった。やっとわかった。三角点の所で動き回り、方向感覚を失ってしまっていたのだ。しかし、Yamaさんは初めての山なのに5Mしか離れていない所に戻ってくるのである。尾根をはずさないと言うことはおぼえたが、それも地図を読んでいたり、山の様子を把握した上のことだろう。
 車までのだらだら下りの途中、植林地で茸採りをしている人がいた。Yamaさんが話しかけながらすぐボリボリをゲットした。私も探したが見つからない。Kuさんが見つけた茸を採らせてもらった。自分でも一つくらいはと思って一生懸命探したが一つも採れなかった。Yamaさんは一食分すぐ採れた様だ。彼は本当に山の人だ。
 一日二山。低く簡単な山だったがやはり人による…。