戸井丸山・気無山

takasare2008-10-23

 30年通りなれた亀尾,峨眉野を経て恵山に到る道道。前日も通ったばかりの道をである。盤の沢を過ぎてもうじき峠への登りにかかる辺りに、「戸井丸山龍神宮」という標柱が立っていてそこから誘うように道が林間に消えている。30年知ってはいたが1Mも入ったことの無い道である。
 今日はついに曲がって入り込んだ。しっかりした道である。海峡に面した戸井原木地区まで続く道道だそうだ。そう聞くとますます立派に感じるが、9キロメートル先で崖崩れが車を塞いでいるという。
 2KM走ると右手に鳥居があった。戸井丸山龍神宮の入り口である。その後ろにカップを伏せたように円錐形の山が聳えていた。標高差150Mだから聳えると言うほど高くは無いが、登ることを考えると結構険しいのではないかと思わせる山容である。鳥居をくぐり、小さな祠の横を通り、もう一つ朽ちた鳥居の下に道があった。登山道ではない、参道なのだろう。直登である。ハウチワカエデの黄色から赤へのグラデ=ションに見とれながら登る。一歩登るたびに高度が上がる感じのする道である。すぐ、直登をあきらめたかのように右に曲がり、そこからはジグを切って上へ向かって行く。高さが無いし気が多いので遠望が利かないが、眺め下ろす周囲の紅葉黄葉がきれいだ。間もなく、コンクリート作りの本宮に着いた。この資材を運び上げる信仰の力にいつもながら驚かされる。その横に頂上へ向かう道がある。崖に足一つ乗るだけの道が付けられ、ロープが寄り添っている。カップではない。縄文土器のように尖っているのである。ロープの先にプレートが敷かれてあった。踏み段かと足をかけそうになったがよく見ると岩がうがたれていて何かを祀った跡がある。奥宮だった。私は畏れ多くも祭壇に足をかけようとしたのである。ロープも道も登山のためではなく、参宮のためだったのである。
 ここまで来たのだからと、その奥宮の脇から一登りして狭い頂上に立った。帰り、もう一度祭壇を軍手で拭いて謝っかて降りてきた。