当別丸山・同窓登山その2(2)

 最初は山裾を回るようにトラバース気味の道が尾根に取り付くところで直登になり勾配が急になる。展望台は帰りにして尾根に出た後やせ尾根をひたすら登る。傾斜の急なところでは気分的に休みにならないので一つ目のゆるみの所まで登ることにした。紅葉の色づきは良くない。ブナの黄葉をひそかに楽しみにしてきたがまだのようだ。展望も良くない道なので黙々と登る感じになってしまう。紅い実を見つけ、話題にしようとちょうっとと待って指さしたが、思い出せると思ったなまえが出てこない。また黙々と登ることになってしまった。
 いまこの同窓仲間で廃校になった母校の高校新聞101号から終刊までの縮刷版を作っている。不思議な関係である。正確に言うと不思議でないことが不思議な感じなのである。百号までの縮刷版を作ったこともあるがそれからだって30年経過しているし、途中の交流が殆ど無かったのに週に一回、編集で顔を合わせているし、こうして山登り間で始めた。一人一人には家族が在り孫までいる。それなりに社会の波にもまれてきている。その50年を全く感じさせないで山に登っていることが不思議なのである。どこかに違和感のようなものがあってもいいのに感じない。他の仲間にはあって私が鈍感なのだろうか。
 尾根に出た時についで2回目の休みをとった。羊羹タイムにした。みんな特に疲れた風も無く無駄話が始まった。このぶんだと11時には頂上についてしまう。この山は頂上の展望が余りよくないのでみんなに聞くと、それでも頂上で昼を取った方が良いというので、このペースで登ってしまうことにした。
 頂上で30分。夫婦連れが登ってきたので我々は降りた。下りが急で運動靴を心配したがなんとか降りられそうだという。一応ストックも持ってきたが必要ないらしい。休み無しで展望台まで下りきってしまった。トラピストを真下に俯瞰できる展望台で15分ばかり過ごして下山した。帰りに旧ルルドに寄ったのは言うまでもない。
 来春、縮刷版が刊行したら千軒岳に行くことになった。