秋の夕暮れ、毎日夫々夕景を変えて美しい。そんな美しさに目もくれずお喋りに夢中な部活帰りの女子中学生もまた秋の夕暮れの大切な登場人物である。
  お喋りを家路に余し秋の暮れ     未曉
 その後ろから同じ中学校の生徒だろう。野球のユニフォーム姿の二人ずれが歩いている。こっちは黙った歩いている。自分の中学生時代を思い出した。私はサッカーだった。泥をつけたストッキングをとめる輪ゴムが痛かった。おしゃべりするよりも腹が減っていた。「草の実、取ってから入っておいでよ」と言っていた母を思い出す。
  おなもみや部活帰りのユニフォーム  未曉