早朝、義父、義母と共に起きた。二人は窓からすぐ目の下の築港岸壁をウォッチングする。二人の会話からすると…、「大謀網の網起こしに出た」「出面取りが集まっているどこみれば大漁だな」ということである。
 大謀網の中で泳がされていた烏賊を満載した船が岸壁に着いた。義母はお金とバケツを持って買出しに走る。その姿は、お盆で帰ってきている人たちに故郷の味を食べさせたいかあさん方の中に混じっていく。新聞配達のおばさんも、配達を中断して烏賊買いだ。
  たふたふと足埋める烏賊船も埋め   未曉
  秤より5匹も多い烏賊の浜      未曉