サスカチュワンクロッシングという、ハイウエイそばのロッジに泊まった。レストランと土産物屋を中心にたくさんのロッジが取り囲んでいる。他には何もない。ロッジと言っても入ってしまえばホテルと変らないものもあれば、粗末な小屋風のものもある。工事関係者なども泊まっているようだ。共通しているのはドアを開ければ直ぐ外に出られること。そして360°カナディアンロッキーの高峰に取り囲まれた円形舞台の真っ只中に立ってしまうことだ。寝ているのはもったいなくて朝の冷気の中に飛び出した。
  夏霧のモルゲンローテ高くして    未曉
 ハイキングトレイルは必ずどこかの湖に連れて行ってくれる。さっきまで降っていた雨の所為か昼食を食べた湖畔は我々だけで静この上ない。無音の世界にときどき啄木鳥のドラミングだけが遠く聞こえる。朝食に付いた林檎をザックから取り出して食っているとその音がうるさい。啄木鳥は自分のドラミングの音をどう聴いているのだろう。
  ドラミング山の湖畔に林檎食う    未曉