さすがロッキーの山の中、夏に向かっているはずなのに前日午後からの雨が雪となってトウヒなどの針葉樹をクリスマスツリーにしてしまった。標高2000Mの尾根道は積雪に覆われ、道端にあるはずの花も見られない。水をたっぷり含んだ雪に足を取られながらヘレンレイクを目指して歩くだけだった。
  戻り雪尾根道列を正しうす   未曉
 アサバスカ河はアサバスカフォールで無理やり曲げられ落とされる。大きな河が狭い峡谷に落とされるため水は逆巻き波打って巌に穴を開け波の形に崖を削ってきた。すごいエネルギーだ。削られた跡は太い柱を抜かれたようになり、今流れている水がその中で渦巻いて今削っている。そして滝が終わると何事もなかったかのようにまたアサバスカ河になる。何事もなかったわけではない。滝のしぶきが明瞭な虹を空間に浮かばせていた。居る間張り付いてでもいるように瞬時も消えなかった。
  瀧に虹大河再び大河なり    未曉