袴腰岳・同窓登山(1)

takasare2008-06-15

 終日曇りマークだった天気予報に日様マークが点灯し、それがもっと良い状態で朝を迎えた。今日は同窓登山である。
 同窓と言っても「学校」規模のたくさんの窓ではない。もちろん同じ高校だが、その高校の新聞局室の何枚かのガラス窓の光を共にした仲間である。今は無き函館東高校である。私たちが過ごした校舎は函館東高校時代に壊され立て直されたが、今では函館高校と言うように校名まで書き直されてしまった。寄る辺を失った同窓なのである。その反動でもないだろうが、3年前夫々の退職を機に呑んだ夜から45年ぶりに付き合いが復活した。不思議なことに会ったその瞬間から昔に戻った。もちろん年齢を重ね、分別紛々と匂わせ夫々に45年分の家族やしがらみをかかえているがそれを感じさせない付き合いが復活した。と言うより復活してしまったと言う感じが強い。そしてそれが結構心地よい。
 だからと言って、今更新聞を作ろうというのではない。60男どもがやったことは飲み会をすることだった。でも、その飲み会からどういうわけか「山に登ろう」と言うことになった。
 多少経験のある私が計画を立てることになった。登る山は直ぐ決まった。自分勝手にわが山と考えている袴腰である。私でも案内できる山はそう多くないがこの山なら初心者でも大丈夫なはずだ。どこで休めばいいかまで考えることが出来る。第一登山が初めてのUやTaにしても住んでいる所からでも見えるし、函館市の最高峰という名分もある。
 普段仕事で、あるいは趣味の写真を撮るために普通の人よりは少し歩くことが多い程度らしいU、普段は体を使った仕事やゴルフをしているKa、テニスや毎日4Km超の出勤を歩いている2年後輩のTa、週一私と一緒に山を歩いているKuとの5人パーティーである。
 アメダス口に車でさしかかり、ここからも登れるんだけれどどうする?と訊いたら、即座に「No」と答えられた。私もそのつもりはなかったが一応袴腰の登山口はここになっているし…である。
 第二登山口から歩き出した。いつものゆっくりペースで歩いた。最初の勾配では会話こそ少なくなったが遅れがでることもなく歩けるようだった。私のほうがいつもの花タイムがなく、久しぶりにほぼノンストップで二つ目のトラヴァース路までを歩いてしまった。花を写すとか、着るものを脱ぐとか水を飲むとかは遠慮しないで…と言っていたが誰も休む口実を与えてくれなかった。コケイランを写しただけだった。
 同窓登山だが昔話はほとんど無い。道々見られることや植物のこと、私もこの山道で久々にたくさん見えた熊の糞で盛り上がったり、普段の山歩きのことなどが話題になったりしていた。みんな昔話をしたくて集まっているわけではない。純粋に山登りを味わっている。それがいい。三角山で追いつかれた夫婦に尾根への取り付きのところで追いこされたが2時間で頂上に着いた。口では疲れたとかこんな急なところ初めてだとか行っていたが、息を切らしているわけでもなく、頂上について直ぐ座り込むわけでもなかった。登ったことのあるKaやKuはともかく初めてのUやTaは頂上に立った感激を静かに味わっているようだった。