糸川林道・女那川林道

takasare2008-04-09

 女那川林道
 昼は過ぎていたが、女那川林道に移動してから座れる場所を見つけて昼食にした。鮭の孵化場を過ぎて少し入った辺りだ。飯の後付近を歩いたらカタクリイチリンソウがたくさんあった。しかしどれも寒さの中にあった。ギョウジャニンニクもあったが、食欲をそそるものではなかった。
 小兵次橋を越えたところで車を降り、歩き始めた。左側の急崖にいろいろな植物がミニ盆栽のようにわずかな土に根を下ろして春を迎えようとしている。石楠花、松、小さな地味な花もあった。イネ科の植物らしい。スゲというものもあった。ヒメイチゲが2mmほどの花も開けずに風に揺れていた。小さな小さなテラスのような所には大体ギョウジャニンニクがつんつんと緑色の葉を伸ばしている。しかしこの崖は登れない。あきらめざるを得ない我々のそばをワゴン車が一杯の人を乗せて林道を降りていった。きっと、車の中はギョウジャニンニクのにおいでむせるようだろう。
 この冬だろうか崩落した岩石が林道の半分を塞いでいる。橋を一つ渡ると林道は川の高さになる。長靴で来たんだからとわざわざ流れに入って渓流の様子を撮る。林道に戻ると右側の斜面に結構な太さのギョウジャニンニクが見える。何とか木に掴ったりトラバース気味にたどれば一食分くらいは撮れそうだ。そのつもりでナイフも袋も持ってきている。太いものだけを選んで根を残して切り、槌や枯葉を落として袋に入れた。取り出すと夢中になってしまう。採取風景を撮ろうと思っているがいつも終わってしまってから気がつく。
 黒大理石の石切り場から200Mくらい進んだ所で今日の前進を終えた。ピリオドにふさわしく野生化した白馬が姿を現してくれた。腹も大きいし全体的に丸く優しい体つきに見える。出産でも近いのだろうか。1頭だけである。少し淋しそうに見えたのは勝手な思い込みのせいかもしれない。真っ白な毛並みといい、一頭きりという寂しさといい春の浅さを印象付けた。