汐首無線中継所

takasare2007-12-20

 登ってびっくりした。登るというほどの山ではなかったがこれほど広い牧野が広がっているとは思わなかった。津軽海峡を魚場とする純漁の集落だと思い、その裏山に登るくらいの気持ちで行ったからかもしれない。
 小安のバイパスから作業車道路を少し登った所にゲートがありそこから、簡易舗装のその道を登った。黒松が冬芽を出している。柏の木が多い。大きな葉を焦がしたような色に染めているがしっかり枝にしがみついている。葉の形も整っている。「初めからこんな色で形の葉なのだ」と思わせるような柏が斜面に林を作っていた。黒松には松毬がたくさんついている。ズミ、ガマズミ、ツルウメモドキが色を添えていたが、多くは萎びて黒ずんでいた。サルトリイバラの実にはまだ艶やかな色合いのも残っていて、眼を楽しませてくれた。
 道は、広い鞍部に出る。海側にはNTTの無線中継施設をいただくピークがあり、左側にも高い木が一本もない牧草地がゆるやかなピークを作っている。鞍部の東側には沢を挟んで南茅部方向の山々が見通せる。まず無線アンテナのあるピークを目指して歩いた。冬枯れの牧場には何もない。しかし、眼を遠くまで遊ばせながら風に吹かれるように歩くというのもなかなかいいものだ。風は少し冷たいが…。無線の施設のピークから300Mほど向こうの少し下がった所に馬が15,6頭たむろしていた。中には、親子連れもいる。私のカメラでは遠すぎるが一応ごあいさつとして一枚シャッターを切った。椴法華への行き帰り、海に突き出るように見えていたアンテナ群の根元から、昨日も通った国道や小安の集落や津軽海峡を俯瞰した。なかなかの景色である。鞍部から続く沢の辺りにたくさんの躑躅があり、それが咲く頃には人をひきつける力は十分あるように思えた。(続く)