雪は季題の代表「雪・月・花」に含まれるほど、日本人の冬の情感を委ねられてきた。雪を見ただけで俳句ができそうになる。これが曲者で思うほど易しくない。あまりに普遍的で作っても作っても類型の域を脱し得ないのである。それでも懲りずに五七五にしてしまう。
  一面の校庭の雪子等迎へ    未曉
  雨止んで地の雪音を鎮めたり  未曉