日々・札幌市

takasare2007-10-24

 地下鉄東豊線元町駅から当街区画を大きく回った。左回りで、回りきろうと言う寸前に見つけた。逆に回ると近かったが、見逃したかもしれないほど目立たない感じで暖簾が出ていた。幟もなければ、蕎麦屋らしい構えでもない。打ちっぱなしを磨いたコンクリート壁の二階建てだった。仲通りに周りの住宅に紛れ込むように建っていた。臙脂の暖簾だけが蕎麦屋を知らせていた。表通りに柱を立て、そこに掲げた長方形の雪洞で見つけることができた。夜の方がわかりやすいかもしれない。
 入り口を入ると階段で二階へ。静かにジャズが流れ間接照明で落ち着いた雰囲気が作られている。中央に十人掛けの円卓があり、その壁際に座った。並粉のせいろを頼んだ。長細いせいろに三つの山を作って蕎麦が運ばれてきた。
 香りがあまりしない。歯触りや喉越しはしっかりしている。もう一口啜ったがやはり香りは弱い。少し田舎蕎麦っぽい感じもする。冷たく良く締められた蕎麦の食感を楽しみながら戴いた。辛汁は、蕎麦の先に少しつけるだけで十分だった。だしが良く効いていて、どろっと濃い蕎麦湯をとても美味しくいただけた。