雄鉾岳・頂上には立てた。

takasare2007-10-14

 いつも国道5号線を走るとき、八雲の奥の山並みにひときわ異様な山容の雄鉾岳を見ていた。
 山登りが好きな人間は、高い山、美しい山、とにかく自分に感動を与えてくれた、あるいは感動を与えてくれそうな山にはまず直感的に「登りたい」と思う習性を持つ。技術的、体力的に可能かどうかは別問題で…。 私にとって雄鉾山がそれに当たる。遠目に見たときはすぐ頂上に立った自分をイメージしたが、やんか山に向かう時近くで見た雄鉾岳は登り近づく自分の姿は想像できなかった。頂上を支える岩壁は技術も体力も到底及ぶものとは思えなかったのである。道南の山を知り尽くしているYaさんも「私にはまだ早い」と言っていた。
 それが登れることになった。Sakagさんがネットで繋がっている人を案内登山することになり、雄鉾初めての人もいるので時間をかけて登るからと言うことで誘ってくれた。二つ返事で誘いに乗ったが、久しぶりに「もしかしたら…」が何度もよぎる数日間だったのである。
 結論から言うと「頂上に立つことはできた」。夏山ガイドによると6時間のコースを8時間かかった。他の人はともかく、私は8時間が後1分短くても登れなかったと思えるほど十分に8時間かかった。Sakagさんに2度ほど手で引き上げてもらった。足が吊った。スパッツはもちろんザックからズボンの尻から泥だらけになった。2足の軍手がぐっしょり濡れて、真っ黒になった。登山口に帰り着いたとき最後尾で100mも遅れていた。敗残兵差ながらの態で登れたのである。「やっと」である。
 靴を履き替えているほかの人たちの登山ズボンは見るからにすっきり爽やかだった。技術や体力がズボンに表れていた。