涼しくなり、久しぶりに自分のベッドで寝る。葬儀の後でもあり佐々木さんのことを思い出す。白雲小屋のテント場では、一つのテントに佐々木さんも一緒に五人ほどで寝た。夜起きたら大雪の上の大空は満天の星だった。
   星月夜テントに五つの眠りあり    未曉
 俳句作りのきっかけは尻別岳の登り「みんなも俳句を作ればいいのに」という佐々木さんの話と、直登に近い登りからの苦しさ逃れだった。眼前の羊蹄の美しさを「ああでもないこうでもない」と頭の中でこねくり回して…
   初の句は山頂の雪見て忘れ      未曉