知内丸山(2)

takasare2007-06-27

 アップダウンがきついと思ってポールを持っていったが、ポールより木につかまるほうがいいと思えたのでザックに縛りつけたまま下りに入った。登りに見つけられなかった花がいくつか見つかりカメラを向けたりしているうちにガスが晴れてきた。一月前登った矢越岳がうっすら見えてきた。あの時登った尾根も見るからに急勾配だが、歩くのを断念したその先、知内丸山に繋がる稜線は、下って下ってまた登って登ってを繰り返すように続いていた。YaさんとKuさんとで「行かなくてよかったなー」とため息をつくほどだった。消え残ったガスが、あちこちの樹間からまるでそこここに人がいて発生させているように立ち上って来る。標高600m弱、それほど深くない谷が現れてきて、海への出口に矢越の集落が固まっている。登山口の旧矢越小学校の赤い屋根が、シンボルのように現れてきた。降りてからと思っていた昼飯をそこで食べることにした。山登りのときの昼飯は、外界を見下ろしながら食べるに限る。うまい。
 そこから樹林に入るまでは、まるで谷に飛び込むように斜面を降りる。悪いと思うが、風に耐えて必死に生きているつつじなどの枝を引っ張るように掴んで足を運ばさせてもらった。後ろから写真を撮りたかったので最後尾に付いた。先頭になったKubさんは速いし、YaさんKuさんは花があると止まるし、私はアングルを待っているのでお互いの姿が見えなくなってしまう。お互いの存在確認の笛を鳴らし急斜面を細かなジグを切りながら下った。登りでは見落とすことなく足を停めてみてきた「ポイント看板」のいくつは見ないで通り過ぎてしまった。
 登山口まで来ると、森作りセンターの人たちが、見回りだろうか長靴で歩いていた。
 下は晴れていた。全身汗まみれだが、このごろ汗がしよっぱく無い。べとつかない。それでもすぐ風呂に入りたかった。木漏れ日温泉に急いだ。