とみ田 札幌中島公園傍

 12時少し前、店に入る。四人掛けのテーブルが五つ、一人なので気が引けたがその一つを占領する。蕎麦を食い歩く人は一人でも入店するだろうし、一人でささっと食うのも蕎麦の内だから、一人で食べることのできる席は欲しい。もしかしたら、コンセプトが違うのかもしれない。
 温かい蕎麦冷たい蕎麦が夫々7種類くらいずつ書かれたメニューがあった。一応それを見てもり蕎麦を頼んだ。
 朱塗りの器にすのこを敷いて、少し黒っぽい蕎麦が量多めに盛られている。情報を得た本には「外二」とあったがもう少しつなぎが多いように感じた。歯応えはいいが舌触りは私の好みではない。たれは少し甘めだが、しっかりしている。どっぷりつけなくていいたれだ。薬味皿にさらし葱と小さな二口くらいの俵握り飯が二つついている。わさびは一回使いの小袋に入っていた。袋には「長野県豊科」で作られたと書いてあったから本場産だろうがやはり味気ない。美味しいから良いとするしかない。握り飯の塩気が邪魔だった。この握り飯があることで、来なくなるかもしれない。コンセプトが違うのかもしれない。
 追加で掛けそばを頼んだ。少しバキバキ感がなくなって私好みになったが、蕎麦の香りは薄かった。そば湯はたれが良かったので期待したがお湯に近く楽しめなかった。