変化(1)

 相変わらず昼のメニューは乾麺を茹でた五目蕎麦が多い。乾麺の「新得そば」を切らさずに買い置いているがあきないでそれを食べている。たまに土産で貰ったり、違うものをと心移りで買ったり変化もある。しかし、その変化は長続きすることは無く、いつの間にか新得そばに戻っている。
 今日は、「元祖十割そば」である。元祖はどうでもいいが、十割、そば湯が楽しめる(ほどの十割…)という袋のコピーについふらふらと衝動買いしたそばである。奥さんに代わり買い物をすることが多くなったこの頃、買い物の時袋などに書かれている表示を読むようになったが、その分琴線に触れるようなコピーに出会うと簡単に買ってしまいがちでもある。だから「確かにいいものらしいけれど今必要だったのかなぁ…」などと帰ってきてから反省することになる。
 今日はその「元祖十割そば」を食べる。たっぷりの湯が沸いてきた。手にした蕎麦はいつものものより少なそうなので袋の裏を見た。200gだ。半分なら少ないし、半端に余しても無駄になりそうな量なので全部茹でることにした。名称「干しそば」原材料名「そば粉」。調理方法「6分茹でて2分むらす…」むん?むらす?そばは、熱い湯の中で茹で、冷たい水で締める物であり、それ以外の状況はそばをまずくすることでしかないと思っていたので、蒸らすと言う処理が信じられなかった。蒸らしたら延びておかしくなるだろうにと思ってしまう。
 そば粉の含有が多い干しそばの日向くささと言うか、酸化したような味が嫌いなので、そば粉が多い蕎麦よりそば粉が少ない干し蕎麦を食べてきた。茹で上がりも自分の口で確かめてきた。茹でたら火を止めて蒸らすという未知の処理をする以上、今日は書かれているとおり時間を計って茹でてみることした。