横津岳山麓

 昼食を終え、車道に出て舗装路を下った。ゴルフ客もいないのか車が通らない。横に広がりてんでんばらばらに歩き下る。足元に心配が無いし、下りなので自然に足が出る。そうなると私は目も鼻も働かなくなり、ただボヤットしてしまう。変わった木肌や草の実を見つけたりするのはYaさんSaさんである。Yaさんは舗装路で死んでいたトガリネズミまで見つけた。外傷もない。きっと飢えと寒さにやられたのだろう。写真に写してやる。
 このまま舗装路を下るのも芸が無い。国がが健康保安林として整備したコースがあるというのでそこに入った。山肌にせりだした小さな尾根を越える道だが、整備されたのは昔らしい。石楠花が所々に寄植えされ、躑躅が道の両側に植えられたりしていた。その後、行政改革のあおりでもあろうか手が回らなくなったのだろう、放置されているようだ。所々丸太で土留めした階段があったが、土が痩せてかえって危険路になっていた。確かに、森林浴や手軽な山歩きにはとてもいいコースだ。大切なのは続けることなのだろう。再び舗装路に出たら、冬期間ゲートが設置されるだいぶ下まで降りていた。
 りんごの無いりんご畑を右に、新道近くまで下り、左折して車に戻った。
 結局、歩き出しに着たヤッケはついに着たままだった。途中風の無い所では汗もかいたが、脱ごうとは思わなかった。(帰ってから行った温泉のサウナでも汗をかくまでに時間がかかった。それだけ体が冷えていたと言える)
 久しぶりの山歩き、足を使ったと言うより、眼を使えた感がする。外に出るということは歩くということだけでなく五感を刺激することでもありそれができなくなることもイライラする原因になるのだろう。