当別丸山(きのこのこのこ)

 彼らが登ったことが無い山ということで選んだ当別丸山だったがKasiもKubも都合が悪く、結局いつもの二人の山行というより、のこのこきのことりになった。
 ルルドへの石段に足をかけたとたんYaさんがハツタケを見つけた。石段の脇にはいくつか見えたが帰りに採ることにして登山口に着いた。ルルドの前では、修道院の人だろうか、落ち葉を掃いていた。明るいルルド前に比べ登山口を一歩4は行ったとたん暗くじめじめした山の中になる。しかし、このくらい中に一昨年あのなめこの群生が宝石のように光っていたのだ今年は?期待して行ったがあの倒木にはなめこは無かった。しかしよくみると小さな茶色移い点がコケの間にちりばめられている。ようするに早かったのである。昨年のように全く影も形も無い状況ではなかったので「まあいいか」と言う気持ちになる。Yaさんに教えてもらって、崖の途中の腐れ根に生えていたボリボリをいただいた。
 昨年に比べて登山道は手が入れられていた。石別中学校の生徒の登頂記念紙フラッグがラミネートされて頂上標識に揺れていた。中学生が登るから整備したのか整備されたから中学生が登ったのかはわからないが、地域の目がこの山に向けられたことなのだろう。小中学生が地元の山に登ることはとてもいいことだと思う。ましてやそこに地域の力が支えになれば、その波及効果はとても大きなものになるだろうとおもう。
 下山途中標識に「とても美しいですよ」と添え書きされていた展望台に迂回した。ベンチが設けられ、眼前の雑木が伐り開かれている。その樹間からトラピストの赤い屋根や緑の牧草畑、チェック模様の畑が見え白い並みの浜辺、津軽海峡函館山が箱庭のように用意されていた。祈りの鐘が小春の青空に流れるのを聞きながら、ベンチで昼を食べた。まずいはずがない。
 石段を左右に分け入りハツタケを夕食一回分採ってトラピスト裏の草原脇を帰った。この草原ではいつも、ジュリーアンドリュースがスイスアルプスの民族衣装で歌いながら出てくる姿を想像してしまう。