大根おろし入りとろろそば(3)

takasare2006-09-10

 何日か試行錯誤を経て、最も美味しい食べ方が固まった。
 長芋をすり、大根おろしと少し濃い目のそばたれを混ぜてしっかりしたとろろを作り、それを、皿盛りした冷たいそばに掛けて紫蘇を刻んだものを掛ける。途中でどうしても味が薄くなるので、追いたし用の濃い目のたれを少し用意しておく。これは亀田丸南の「おろしそば」のアイデアのパクリである。「味が薄くなったらかけたしてください」と言って、最初から別の小さな徳利に、塩辛さも甘さも強いトロリとした感じのたれが出される。大根おろしは、たれの味を薄くするし、大根おろし特有の匂いも鼻をつくようになってくる。その頃合にこのたれを加えると最後まで美味しく食べさせてくれる。丸南のようにコクのあるたれは作れないが、冷蔵庫に冷やしてある濃い目のたれに市販のそばつゆを加えて代用することにした。残っていた竹輪も舌触りのアクセントくらいにはなるだろうと加えた。あり物昼食のポイントである。
 大根の辛味がピリッと効いているし、大根が長芋のすべり落ちを防いでくれるのでそばとの絡みがとてもいい。味加減、大根おろしの量加減は好みになるだろう。最初は、もり蕎麦のようにそばをとろろにつけて食べていたが、たれも大根おろしも摺った長芋も混ぜてしまった「とろろ」をそばに掛けてしまう方が美味しいようだ。最初美しく「淡雪そば」とか「雪渓そば」とかネーミングしようかと思ったけれど、たれの混じったとろろはどう見ても腐れ雪にしか見えないので、そのままの名前でデビューさせることにした。来夏思い出して食べる頃にいい名前を思いつくかもしれない
 「とろろ」カルチャーショックから一歩は踏み出せたかなーなどと島牧の下宿時代を思いながら食べた。