「蕎麦蔵」弁天 

 市電弁天終点から外人墓地へ向かう坂道を登り、3本目(?)を左に曲がったところにある。駐車場はない。路上駐車をするしかない。入って靴を脱いで上がる。右に蔵の入り口があって、中に4人がけのテーブルが2卓。左に明るい座敷があって大き目のテーブルが6つほどある。「どちらでもお好きな方へどうぞ」と声がかかる。前に来たときは、座敷に入ったので今回は蔵のほうに入ってみた。もう少し広ければ雰囲気も出てくるのかもしれないが狭くて穴倉に押し込められた感じがする。土蔵の中で蕎麦を食べてみたということだけのようだ。わざわざ店名にするほどのことはない。
 ざる蕎麦を頼んだ。その上は天ぷらがつき、天ぷらの種数や、副菜の品数が増えて値段が高くなっていく。10割蕎麦ということである。
 ざるに細いきしめんのような黒目のそばがでてきた。何もつけずにすすってみたがあまり蕎麦の香りがしない。つるつるっとのどを通っていく。そば特有の引っ掛かりの少ないそばである。たれも、透きとおっていて辛すぎず甘過ぎずひっかかりがない。わさびがついていないことがわかる。上品な味というのだろうか。
 蕎麦蔵の最も安いメニューは、ざる 800円である。蕎麦の味、蔵や座敷の店造りに上品さや高級感を持たせとことによるざる800円は私のたかされ蕎麦道に反する。レジに行ったら「840円です。」と言われた。益々高く感じた。