神無月
大沼から姿を消していた「神無月」が松見通に開店した。おいしい蕎麦で大沼に行ったときの楽しみの一つだったので残念に思っていた。開店の情報を得て早速行ってきた。
住宅をリフォームしたような感じでリビングのような広さの所に、大沼時代のミシンの脚を利用した卓が四つほど置かれこぢんまりした店になっている。開店と同時に入った。メニューを見る。もりそば…わさび、葱は付いていません。せいろ…わさび、葱が付いています。ざるそば…5種類の海苔の中から選べます。とある。「へぇー」だが私は迷うことなくせいろを頼む。
蕎麦を一箸啜る。蕎麦の香りが立つ。少し芯が感じられるほどよい手打ち、ほどよい茹で方の、いわゆる「蕎麦」の美味しさが口に広がる。二口めは辛汁につける。辛めの汁なので少しだけにして三口めを…。その後はわさびと…。蕎麦だけで…。辛汁で…とそれぞれの美味しさを自在に楽しむ。
終わりに残したわさびと使わなかった葱を辛汁に入れ重いそば湯で割って余韻を味わう。
以前の記事にも書いた、店主のしっかりとした蕎麦への取り組みがよりおいしい蕎麦への進化につながったのだろうと思う。