嗚呼

 トランプと金正恩のやりとりを聞いていると両者の一国の指導者とは思えない知性の無さに驚くが他国を笑ってばかりもいられない。
 自国、安倍首相は民進党の不甲斐なさを国会の場で痛烈に批判したが、自党の醜い部分は見て見ぬ振りを押し通した。言葉の暴力、武力による圧力には声高にトランプの尻馬に乗った言を吐くが、内向きには権威の暴力、数の暴力で異論を封じ込め大手を振って押し通した。やっていること言っていることには前者二人同様知性は感じられない。むしろ比べると二人の方に子どもっぽい邪気のなさを感じてしまう。言葉だけを大人っぽい美辞でコーティングしているいやらしさがあるからだろう。
私は指導者には冷静な歴史観に裏打ちされた将来を見通す「哲学」が必要だと思っている。それを言葉や行動で感じさせるのが知性である。
 責任を取らなければならないこと、はっきりさせなければならない都合の悪いことにはパソコン画面を強制終了させるように解散し、票がほしいだけの、有権者に合わせた耳障りの良い言葉を並べ、景気という言葉で有権者の頬を撫でる。そのいやらしさには政治哲学の欠片も感じない。もし、「改憲」が安倍さんの政治哲学というならば、それをこそ選挙で問わなければならない。勝てる選挙でさえ問えない安っぽい「改憲」は哲学とはいえないし単なる偏見でしかないことの証明であろう。リセットされた国会で数に味方されることが明らかになれば、見えない底を流れていた物が浮き上がって流れ出す…。
 これほど国民が陰で嘲笑われるごとき選挙があるだろうか。国民は馬鹿にされていると強く思う。私はがんばった逢坂さんを選ぶ。比例代表では選ぶ党がなかったらこんな選挙には「白票」と言う批判票もありうる。
 ついでに「希望の党」とはよく名付けた。国会議員になりたいという人たちの「希望の党」としか思えない。「議員になって始めて議員の仕事が出来るんですよ」と言う離党すがりつき議員が言っていた。これから議員になりたい人が言うならわかるけど、今まで議員だった人が言うのだからあきれる。小池党首も、都民ファーストのはずの人が党のファーストポストに…。東京以外の地に実体の伴わない言葉とムードだけの色を及ばさないでほしい。東京都民が笑われている。
嗚呼