草紅葉

季語閑語

　椴法華ホテル恵風側から恵山に登ってきた。地元では１３曲りコースという。時季ならば山の斜面から段丘上を舐め、海崖の縁まで見事な紅葉が見られるはずだがまだ早かった。しかし、賽の河原まで登るとガンコウランやイソツツジの緑の中に、登路にかかると奇岩の連続の中の遠近に、火山土に焼かれたかのように赤やオレンジに草紅葉が燃えている。賽の河原ではところどころの草紅葉が、昔よく見られた風車が蘇みがえったかのように風に震えて通る者を呼び止める。
　　　　風を恋ふ石塚傍の草紅葉　　　未曉