風薫る

 三か月前に決まっていた高校時代の部活同窓会の季節例会。雨、曇天続きの中奇跡的な晴天をいただいた。雨天決行などと悲壮感さえ覚えていた幹事としては、自分の力のように仲間につい自慢してしまう。普段は飲み会だが、年に一回近郊にフィールドワークに出かける。
 今回は上ノ国町の「勝山館」を訪ねた。夷王山の海側斜面に戦国時代に築かれた館で、その規模だけでなくアイヌの人たちが館内に混住したり、葬られた跡があったり、京都の文化を楽しんだ証や中国製の什器が発掘されたり当時としては豊かな文化圏だったことをうかがわせる遺跡だった。
    館跡に主なき墳墓風薫る   未曉