料峭

 私の所属する俳句サークルでは会員が順番で次月の兼題(季語)を出題することにしている。来月を見越しての出題なので先走る傾向にあるが、今までの兼題一覧表などを作って参考にしてもらったらそこにある兼題との重複を避けようと一層先走りが激しくなったような気がする。ちなみに来月の兼題は「霞」と「山笑う」である。しかし「霞」はともかく、「山笑う」は函館のあたりでは4月下旬である。句作にはほぼ三ヶ月も先の季語のイメージができず、逆に去年の四月はどうだったかなーと思い出さなければならない。現実は冷たい風を吹き下ろす雪の山が見えるだけである。先をイメージするにしても去年を思い出すにしても難しい。出題者の春を待つ思いの強さに引き摺られて作るしかない。
   料峭や兼題に季の追ひつかず   未曉