雪見

 目覚め、想定外の大雪にがっかりしながらも雪は掻かねば…。外に出たらT村さんはすでにいつもの丁寧さで終えている。私がやることにしている隣家の玄関までのアプローチまでやってくれていた。裏の空き地への排雪路を確保した頃からまた雪が激しく降り出した。ホワイトアウト状態なのに眼鏡は濡れて全くの視界不良。掻き終わったところとまだの処の区別が付かない。
 スノーダンプで運ぶのは苦にならないが、寄せた雪を雪壁の上に跳ね上げる動作は腰に響く。汗を掻き、雪に濡れ腰のあたりの下着がひんやりしてきた。腰痛があぶない。冬前に決めたこと「身体を壊してまで雪掻きはしない」は守らねば…。上っ面だけの雪掻き程度で切り上げた。
 今日はプールでもと思っていたが、それ以上の運動量をこなしたので終日パソコンの前を動かないことにした。それでも北国育ちの性、午後から天気が良くなると乱雑な雪の有様が気になって一時間、T村さんに合わせて体裁を整えた。
 パソコンにも飽きた。雪見酒と言うことにして少し早めの晩酌で一日の労をなぐさめた。
 雪は見ているだけなら本当に美しい。
      スコップの痕目の端に雪見酒   未曉