夏の雨

 旅行会社の「札幌CAT,sツァー」の一員になった。生憎の雨だったがバスの乗客、運転するわけでもないので居眠りしたり、本を読んだり。バスガイドがいないので周りの女性の話し声にさえ耳をふさげばいい旅になる。
 昼食ポイントはしばらくぶりに昭和新山。傘をさしてガスで見えない頂上を仰いだ。以前は足元から赤茶けた生まれたての大地が盛り上がっていたが、今は裾は緑に覆われ、階段を少し登ると林の中に山道もない深山の装いである。出発時間バスの駐車場に戻って見上げると雨にもめげず、怒りを鎮めるすべを知らぬかのようにいたるところから噴煙を上げている。
    夏の雨昭和新山鎮まらず    未曉