大野宝亀寺のライトアップされた大枝垂れ桜を見てきた。一昨年日中の花見をしているので今回は夜桜を…と車を走らせた。     
 一昨年は国道脇に普通の民家に見紛うお堂と塀も囲いもない広っぱのような境内があり、その殺風景に似つかわしくない中に一本豪華な大枝垂れ桜が印象的だったが、北斗市が力を入れたか、国道との境に二メートルほどの塀を立て、境内は砂利で覆われていた。桜は擬木のさくで囲まれ花の範囲に一段低くなっていた。夜のせいもあり視線が集中させられるようになっていた。
 満開を今過ぎたばかり、白白の光に散り初めの枝を風に裾を揺らしている妖しさは折からの十日の月も宵の明星も霞んでいる。
    濡るるほど枝垂れ桜を浴びにけり  未曉
 せせらぎ温泉の裏、大野川河畔の桜も足元の提灯にいろどられていた。寒さだけが邪魔をした。
    脚光に夜散る花の秘事を見む    未曉