囀り

 プリンターのインクが無くなり、いつもの散歩より少しロングウォークになるが、穏やかな天気も今日あたりで終わりだろうと電気屋まで歩いて行くことにした。いつものスパイク付きの靴ではなくウォーキングシューズにした。歩道に雪がない国道を歩くことになるが形から春に入る。早足を小鳥の声に止められる。声のする常緑樹の下に佇つとまるでその樹が発したように一斉に囀りだした。私の目では葉陰に何の鳥か見えない。見えてもわからないかもしれないが…。
 一週間前なら「寒禽」となる季語だが、立春を過ぎ、この穏やかさではやはり「囀り」だろう。少し動いたら一斉に飛び立った。二十羽くらいもいたろうか
    囀りの一樹を覚ましまた一樹   未曉