凍解

 やっと雪掻きのない穏やかな日が二日続いた。あらためて大雪が目につく。大きな道路は溶けた水で川のようになり、小さな道はザクザク凸凹で車は嵐の海を行くように揺れ動いて進むしかない。しかし、我が家の庭は静かである。野良猫がゆうゆうと通る。昼は解けた雪の表面が夜に凍り猫の体重くらいでは沈まない。雪の庭だから斜め横断も出来るのだが夏歩くところを歩く。いやその1M上の空中を歩いていることになる。   
     野良猫の脚しなやかに凍ゆるむ   未曉