着膨れ

 向かいの三兄弟が着膨れて窓の外を登校していく。今日は三学期の始業日である。
 私にも覚えがあるが、始業式の日は休みが終わった寂しさと同じくらいに学校が始まる嬉しさもあった。そこには友達に会える嬉しさもあったが、何でも自分から行動を起こさなければ始まらない休み中の毎日に疲れ、チャイムが支配してくれる学校生活の方を羨む気持ちが強くなっていたのだと思う。どうしても行動半径が狭まる冬休み明けにその気持ちが強かった。ゲーム機遊び中心らしい三兄弟はどんな気持ちで三学期の始業日を登校しているのだろう。
      宿題を背負ふ始業日着膨れて    未曉