雪掻き

 「雪掻き」という言葉は一見動詞だが「雪掻き」という作業を表す名詞であり、「雪掻き」時に使うシャベル状の道具の名前でもある。
 私の雪掻き道具である。特別な物ではない。オレンジ色の小さい方は今シーズン新調した。昨シーズンまで使っていた紫色の物は、春先氷を剥がそうとして壊してしまった。自慢の愛機は、今はどう言うか知らないが購入当時はママさんダンプと呼ばれていた物でもう20年余使っている。
 この家に住み始めた26年前、車庫前や私道だった町内共有道路の我が家分の除雪のためにと鉄製の大きな赤いママさんダンプを買ってきた。道具自体が重く雪が入ると動かすのに声を出さなければならないほど力を必要とした。共用道路は砂利道なので滑走面に傷が付き翌年使うときにはそこが錆びて滑りが悪くなりますます疲れるようになった。次に同じ作りの少し小さめの物を買ってきたがやはりあちこち不具合が出てきた。半ばあきらめて我慢して使っていたら妻が写真のプラスチック製の黄色いダンプを買ってきた。見た目かちゃっぺなかったがいったん使い出したら二代目赤いダンプは見向きもしなくなった。軽いし小回りがきく。雪を圧しても雪を運んでも苦にならない。入る量が少ないので雪捨てに歩く回数は増えるが滑りが良いので運動不足解消などと笑って言える。鉄製の物と同様傷は付いているが錆びることがないので20年たった今も滑りは良い。
 今日は1時間の雪掻き。道路はダンプで、狭いところはオレンジ色の雪掻きで3ヶ所の雪山を作る。それをこのダンプで写真奥の擁壁の上から捨てる。1時間の雪掻きで25回の往復で雪はなくなった。最後に小さな方の雪掻きで隅々を仕上げて終わる。腰がつかれるが、疲れる程度で済んでいるのはこのダンプのおかげだと思っている。年齢を重ねるにつれこのダンプの扱いやすさは嬉しい。