シャクルート

 シャクルートというのは、簡単に言う(簡単にしか言えないが)と日本楽器の尺八と西洋楽器のフルートを合成させた新しい楽器のことです。フルートは横向きに構えますが、シャクルートは建てに構えます。スタイルはクラリネットに似ています。クラリネットは口に銜えてリードに息を吹き込みますが、シャクルートは尺八のような歌口に息を送ります。胴の部分はフルートの構造ですから音域も広く、難しい指使いが出来るようになれば、かなり速くてリズミカルな演奏にも応えられる楽器になったそうです。なんと言っても従来のフルートにはない、低音の厚みが素晴らしいし、音にパワーがあります。
 江差追分の伴奏をしたときにその奏者が「従来の尺八だと、歌い手さんのキーに合わせるために十本以上の尺八を持っていなければならないけれど、シャクルートだと一本ですむ」と言っていました。
 何もわからずに会場へ行き、それらの説明を読み聞きしながら「シャクルート愛好者のつどい」を観賞させてもらいました。
 実は、私の最初の勤務校で一緒だった同僚教師が本拠地道東はもち論、アメリカなどでも演奏して好評を得ているシャクルートの第一人者で、その彼から案内状が来ていたのです。どうやら会の趣旨はシャクルートの普及にあるようでした。と言うことで前段シャクルートの楽器の素晴らしさを紹介させていただいたわけです。
 会は、肩肘の張らない和やかさのあるつどいでした。初めて何年かの方、尺八を長年やってこられてシャクルートも楽しんでいる方。フルートからシャクルートにアプローチされた方。プロのフルート奏者によるシャクルートの演奏「江差追分」全国優勝者、民謡大会優勝者の「道南口説き」など多彩でした。
 号、谷藤紅山。アコーデオン、ウクレレ、ギター、フルート、マンドリン、オカリナ、尺八(尺八楽界の最高位の称号を允許されている)、箏、三味線、琵琶、鼓、太鼓等を楽しんでいるそうです。私と一緒の時は中学生の音楽指導でピアノも弾いていました。子ども達と浜辺でアコーデオンで歌い、私も彼のギターで当時はやりのフォークソングを歌ったものでした。彼は今遠軽からシャクルートを発信し続けています。
 彼の演奏が収録されたCDを購入してきました。しばらく車で聞こうと思っています。