奥さんは温泉、娘は花撮影、私は後日松前勝軍山歩きが予定されているからその下見を兼ねて花見となった。人混みに先んじようと8時出発。国道も普段と変わらず(少しパトカーやお巡りさん多し)駐車場も楽々だった。しかし、肝心の桜は満開にはまだ遠く、花の種類にもよるが三分から五分咲きという感じだった。それでも枝に提げられた花樹の名札を見、蕾を見てイメージをふくらませながら時間をかけて一回りした。城門前の染井吉野は満開だった。
 そこかしこの椿や辛夷木蓮、そして梅、足元に目をやればオオイヌノフグリやエゾイチゲ、ニリンソウがそこかしこに咲いていた。見せてやろうと龍雲寺に案内したら白花蒲公英が良い状態で咲いていてくれた。
 中でも今日は梅が見頃で、龍雲寺の境内では香りも添えて見事だった。「梅は咲いたか、桜はまだかいな」…。松前は、桜も梅も一緒の蝦夷地ではなく本州なんだと思わせる。

 地元の高校生が学習の一環だろうか、血脈桜の謂われを原稿を見ながら花見客に説明させてもらっていた。つっかえながらの説明にお客さんから暖かい拍手があり、なぜかその後にきた専門のガイドさんより五分咲きの桜には高校生の方がふさわしく思えた
  流暢に謂われの花や五分の咲き   未曉
 いつもながら千軒から福島の町内にさしかかる辺りの山若葉も見事だった。
  雨音の枕に静か花疲れ       未曉