先週土曜日、震災で延期になっていたコンサドーレドーム初戦を見に行った。見に行くと負けのパターンで帰りのJRはやけ酒。18時終了の試合なので帰りの時間に余裕がない。駅のデパ地下で総菜の詰め合わせとワンカップを買って指定席へ。土曜の夜の上りは客が少ない。私の隣も載ってくる気配はない。飲んでうつらうつらして本を読んで又飲んで…。8種類ほどある詰め合わせだが、味付けが同じなので飽きてしまう。一杯の酒をだらだら飲んでいたら長万部に着いた。
 こんな時いつも思い出すのは、父が「長万部で新聞にくるまれた毛ガニを一パイと酒を買う。新聞の上で蟹の爪を使って蟹を捌きながら食べ飲み終わるとちょうど函館に着くんだ」と言っていたことを思い出す。役所勤めの父の出張の楽しみだったらしい。
 もちろん今は新聞紙に包まれた毛蟹は売られていない。私はそんな父に格好良さを感じる子どもだった。しかし、それで終わればかっこいいままだが、降りた後大門の「お半」で飲んでしまうので、我々の前にはただの酔っぱらいで帰って来ていた。
   毛蟹喰ふ父のならいや長万部    未曉