朝布団の中で句を考えていたら、光が走った。また目の異常かなと手でこすっていたら雷の音が低く聞こえた。枕元の歳時記を開くと「冬の雷」「雪起こし」、大雪の前触れとある。あわてて窓の外を見ると大雪になっている。雪かきをしなければならないが、この降り方ではもう少し待った方が良いと、又布団に入った。
 私は小屋裏部屋のような所に寝ているので屋根の雪まで1M余しかない。そこをつもった雪が滑り落ちる音がする。音がうるさい分落ちた後の静寂が強調される。そこに再び明け行く朝を切るように稲光が走り、雷が鳴る。
    屋根雪の落ちし静寂に雪起こし  未曉
 雪が小やみに鳴るまでにいつもの朝を終えようと起きた。
    雪起こし朝刊固く折られけり  未曉