雪だるま(1)

 本町へ出て生じた少しの時間つぶしに、以前勤めた小学校の校庭に行った。雪だるまを写真に取りたかったからである。降り始めの時季のこんな雪の日、子ども達の昼休みは雪だるま作りで終わる。「子どもはこうでなくちゃぁ」と体育の時間も雪だるま作りや雪合戦にしたことも多い。
 案の定、校庭に雪だるまを作った筋が幾つも残っていた。しかし雪だるまはほとんど形をとどめていなかった。初めから雪が柔らかすぎたこともあるだろうし、二時過ぎだったので暖気で崩れたのだろう。でも色々なことを思い出させてくれたし想像もさせてくれた。
    作る子と壊す子がいて雪だるま   未曉
 泥で黒く染まった大きな雪の玉が二つ並んでいた。重くなってしまって頭部にするべき雪玉が持ち上がらなかったのだろう。
    寝姿のままに昏れけり雪だるま   未曉