目国内岳

 前日午後Yamaさんからの電話で目国内岳が決まった。数年前私の山行初期で特に印象に残っている山だったので楽しみだった。何が印象的だったのかは覚えていない。絵に描いている。尾根道を岸にして北側に残雪が豊かに広がっている絵だ。
 今回、もちろん雪は無く、花も大方終わっている寂しい道を淡々と登る。石と木の根が煩わしく感じる以外勾配も緩やかで登りやすい。蝶を撮るYamaさんのペースで前目国内岳に着いてしまう。ここからいったん降りて目国内岳への登り返しが一望出来る。ここからの景色が絵になっている。駐車場にいた夫婦ペアが六合目付近で追い越していく。高い雲があるせいで日射しの暑さを感じない。汗はどっぷりかいているが、虫もいないので時折の風を涼しく感じることが出来る。快適な登山である。黒々とした山頂岩峰の直下に来てやっと思い出した。目国内岳への好印象は登山道の緩やかさと、この岩峰を登る楽しさに有ったことを…岩を抱くように回り込んだり、岩の暖かさを頬に感じながらよじ登るのはいつもと違う頂上への到達感なのである。

     雷電岳方向
眼前に、岩内岳、雷電岳とそれに繋がる後志の山並みが広がり、登ってきた方を振り返れば白樺岳、チセヌプリアンヌプリ羊蹄山と畳み重なるニセコ連山が続く。少しかすんでいるが、360度の展望が素晴らしい。頂上の不安定な岩に腰をおろし昼食。風が寒く感じる程だ。先に降りる夫婦ペアの男性にシャッターを圧して貰って記念撮影。満喫した頂上に私達も下山を始めた。
 苔の岩と木の根に緊張させられながらも下山。新見温泉で汗を流した。6時には帰宅できるとして13時間の思い出し登山となった。
 帰宅後、探したら2002年5月、山の会で石楠花岳・チセヌプリとの連日登山の二日目としての写真がポケットアルバムにあった。

                2002/5の雷電岳方向
残雪の斑模様が広がる風景を背景に笑顔の記念撮影があった。中央に佐々木忠夫さんの笑顔があった。先日袴腰を見て句を思ったときに浮かんだ笑顔だった。