終戦記念日
  離したらダメと祖母の手終戦
 終戦、敗戦という事実から我が家の引き揚げ行は始まった。二歳にならない私にはほとんど記憶がない。「聞き分けの良い子だ」と褒められたこと、上陸した小樽の引き込み線路で転び、親指と人差し指の間をガラスの破片で深く切ったことくらいである。
  ひもじさの記憶我にも終戦
 次の記憶は身を寄せた歌志内の叔父の家で食べたカボチャ入りの黄色いご飯の美味しさだ。