千代紙と手漉き感のある和紙で飾った七夕飾りは、プラスチックで発色鮮やかな市販のものに比べて地味だが、手作り感は溢れている。狙いは向の四兄弟だから、彼らの下校時簡に外に飾りアピールした。適度に風に揺れそれなりの風情はある。

 6時頃、来た。一番小さな子が先頭に入ってきた。お兄ちゃんがあいさつしたりせーのと号令をかけて歌を歌うのももどかしく、既に沢山お菓子が入った袋を差し出す。私がまず、ロウソクを一本ずつ入れようとするとみんなが怪訝な顔をする。『どうしてろうそくくれるの?』とおにいちゃんが言う『ロウソク一本ちょうだいな』という歌詞は、彼らにとって意味はなくお菓子を貰うための呪文のようなものらしい。最後にお兄ちゃんがみんなにあいさつをさせた。四兄弟だけの七夕。お兄ちゃんがリーダーとなっての七夕巡り…いいものである。その後浴衣姿の女の子が二人来た。四兄弟と女の子二人。私の七夕飾りにふさわしいお客さんだ。時間は早かったが初期の目的を果たしたので笹飾りは撤収した。
  菓子もらひべべ褒められて星祭り   未曉