花狙いで横津から烏帽子、袴腰の肩までピストンをした。一番の見頃は第一湿原、第二湿原のエゾゼンテイカワタスゲだった。年々乾燥化が進み小さくなっているようだが、一面のワタスゲ咲き、エゾゼンテイカのオレンジがあちこちに見えると湿原の豊かさを実感できる。今年、今までの山で見てきたハクサンチドリ、ゴゼンタチバナフウロソウ、今年初の、エゾチドリ、シラタマ、ネバリノギラン、オトギリソウ、エゾシオガマも綺麗な姿を見ることができた。「鳥雲」の表紙にするワタスゲとエゾゼンテイカのコラボレーションも撮ることができた。道は慣れた道だったが、土曜日というのに人も少なく花に誘われて5時間も歩いた。
 切り通しの舗装路を歩いていたら峯柳の柳絮が風に乗って麓へ下ってゆく。わたしたちもそんなふうに降りてきた。
  甲虫の背に炎帝の空のあり    未曉
  笹の海柳絮や風を見せにけり   未曉

  わたすげの首揺れて霧立ち昇る  未曉