はやぶさが7年間の宇宙の旅を終えて帰ってきた。先日、ニュース番組でその経過を知り、感動を覚えた。そこにあったのは確かに最先端の科学だったが、同じくらいその科学を駆使する科学技術者達の人間的な考え方無くして7年目の帰還は無かったと言うことにである。
 無限の宇宙で行方不明になったとき、ハヤブサが発する電波をキャッチする偶然に賭けてただ待ち続ける事をみんなで決めてひたすら待ったと言う。ニュースを見ているだけの私たちには想像も付かない時間経過だったろうと思う。その間無限の宇宙を見続ける力は極めて人間的である。ハヤブサが燃えてカプセルの帰還が確認されたとき、このプロジェクトのリーダーの方が7年間追いかけてきたハヤブサについて「子どものようなもの。カプセル再突入の犠牲になってくれた。あしたから運用が無いのは受け入れられない」と言っている。全てを言い尽くしているような気がする。
  無季の宇宙(そら)はやぶさ卵地に置いて   未曉